イギリス発祥の高級スポーツカーメーカーであるベントレー

ベントレー(Bentley)は、ロンドン発祥の世界的な高級車メーカーです。
ベントレーという会社の歴史をたどっていくと、まず創業者はW.O.という愛称で親しまれたウォルター・オーウェン・ベントレー氏です。

創業は1919年でロンドンのクリックルウッドという都市にベントレー・モーターズという会社を立ち上げています。
創業者のウォルター氏はロンドンに生まれ、鉄道会社でエンジニアとして勤務をした経験を持つ人物で、当時人気の高かったモーターサイクルレースへの興味からレーシングカーの開発を行っています。

その後1924年~1930年のル・マン24時間耐久レースに出場し、5回の優勝という実績を残しました。
ベントレーといえば現在では高級車という印象がありますが、もともとはレース用のスポーツカーを起源にしているということになります。

なおこのときに参加をしたファクトリーチームである「ベントレー・ボーイズ」はそのタレント性から非常に人気が高く、その後ベントレーのディーラーにもなりました。
このベントレー・ボーイズは大富豪の子孫であったことから、ベントレーで作る車両は富裕層を意識したものが多くこれが現在まで続くベントレーというブランドを形成する理由にもなっています。

ただしベントレー社の歴史はこれまでずっと順風満帆であったわけではなく、1920年台後半に起こった世界恐慌により深刻な経営不振に陥ってしまいます。
当時の複雑な合併交渉を経てなんとか経営を維持することができたものの、結果的に1998年にフォルクスワーゲン社の傘下となっています。

経営的な困難な状況はあったものの、ベントレーというメーカーがイギリスを代表する高級車メーカーであるというイメージはずっと維持されてきました。
2002年にはエリザベス2世女王の即位50周年祝賀記念でベントレー・ステートリムジンが進呈され、公務専用車として使用されています。

ベントレー最高峰モデルとして今も君臨するミュルザンヌ

長きに渡り英国の富裕層向けの高級車を製造してきたベントレーですが、そのラインナップの中でも最高峰に位置づけられているのがミュルザンヌです。

ベントレーのライバル社といえば同じ英国の高級車メーカーのロールス・ロイスですが、ロールス・ロイスの高級車がオーナーの乗車席を後部座席と前提にしているの対し、ベントレーのミュルザンヌはオーナーも運転することを考えて作られています。

これはベントレーがもともとレース出身のメーカーであるということが関係しています。
内装部分では世界最高の自動車インテリアと言われるクオリティを維持しており、特に内装に使用されているウッドパネルはすべて職人が手作業で選んでいるということです。