伝統的なモデリングによる最高傑作と名高いスポーツクーペ

メルセデス・ベンツ280SLは「W113」という品番でも呼ばれている最高傑作とも言われているスポーツクーペです。
製造されたのは1963~71年までで、中でも71年モデルはそれまでの歴史の結晶とも言える素晴らしい仕上がりとなっています。

280SLの特徴をいくつか説明していくと、まずボディ部分に着脱可能なハードトップが着けられています。
これはオープンカーでの屋根となるものですが、それを閉じたときの形状は「パゴダルーフ」という名称で呼ばれています。

ルーフのないオープンタイプも発売されていましたが、このルーフの形状が特に美しいとしてハードトップのあるものが優先的に売買されているようです。

デザインだけでなく走行性能においても製造当時最先端であった4速のATやパワステ、機械式燃料噴射装置といったものが搭載されています。
発売当初はエンジンは2.3L直6という構造をしていましたが、その後2.5Lを経て最終的に2.8Lの280Lに到達しました。

クラシックカーやヴィンテージカーと呼ばれている自動車はいくつかありますが、この280SLに関しては自動車史上に残る「宝」というふうに言われています。

車名となっている「SL」という記号は「スポーツ・ライトウェイト」の頭文字をとったもので、全体的に車体サイズを小さめにしたということが大きな特徴です。
車体サイズを小さくすることにより女性ユーザーから高い支持を得ることになり、現在においても自動車好きの女性から280SLは憧れの車両となっています。

先に述べた「宝」というのもそうした女性ユーザーからの支持が関係しており、写真などで見るときとは違って実際に車両を見るとその美しさについつい見惚れてしまいます。
古いから人気のたかい車両というわけではなく、その存在そのものが一つの芸術作品にまでなっているというところが280SLの魅力と言えます。

保証なしでも800万円近くの価格で取引

最も新しいモデルであっても製造から50年近くが経過している280SLは当然新車で購入することはできません。

中古市場においては比較的出物はあるのですがやはり価格が高騰する傾向は否めません。
使用されている部品が古すぎることや現在使用されているシステムとかなり異なる構造をしていることから保証なしの状態で販売しているお店が多く、それでいながら相場価格として800万円が提示されています。

海外においても同様に人気の高いクラシックカーとして流通をしており、安いものでも50,000.00ドルくらいで高価なものになると80,000.00ドルくらいの価格がついてしまっています。